リンパケアと聞くと太ももやお腹周りに行うケアというイメージがありませんか。実はリンパケアは顔周りや頭にも有効で、疲労回復や明るい表情作りなど、様々な効果が期待できます。それでは頭や顔のリンパケアについて解説していきます。
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リンパケアとはどんなもの
リンパケアとは、肌の上から刺激を与え、体の中を流れているリンパ液の流れを促進し、体に溜まった余分な水分や老廃物の排出を助ける手段です。本来リンパ液は筋肉の動きによってリンパ管が収縮されることで流れています。そのため筋肉が凝り固まっている、あるいは筋肉の動きが少ない部位ではリンパの流れが悪くなってしまってしまうのです。リンパの流れが滞ることにより、浮腫みや痛みなどの症状があらわれます。
そもそもリンパとは何?
リンパとは白血球由来の成分で、体中に張り巡らされているリンパ管系を流れる内容物のことを指します。リンパには液体成分と細胞成分(リンパ球)があり、細菌やウィルスと戦う免疫機能としての役割と細胞から受け取った余分な水分や老廃物を体外へ排出する排泄機能を担っています。
リンパケアで得られる体に良いこと
先述の通り、リンパは筋肉の収縮によって流れています。そのため長時間同じ姿勢で過ごすたり、日ごろの運動量が少なかったりするとリンパの流れは悪くなりがちです。そこでリンパケアを行うことによって、浮腫の軽減、筋肉の痛み等の軽減、自律神経を整えると言った効果が期待できます。
足やお腹などはある程度の運動をして筋ポンプ作用を働かせることも対ですですが、肩や首、頭については、疲労回復を助ける為にもリンパケアを取り入れるとよいでしょう。
リンパケアをやっていい時と悪い時
リンパには免疫機能としての役割があります。リンパ管系は全身に張り巡らされており、細菌や異物を発見すると、先ずリンパ管内に取り込みます。リンパ管には主に逆流を防ぐための「リンパ節」という場所があり、そこにリンパと共に流れて来た細菌や異物を閉じ込めて、リンパ球をはじめとする免疫細胞達が駆除を行います。そのため風や感染症にかかった時にリンパが腫れることがあるのです。
もし何か感染症にかかっているときに、リンパケアを行ってしまうとリンパ節に閉じ込めたはずの細菌や異物が全身に巡ってしまい、症状の悪化を招く事に成ります。リンパケアは体調が良い日に限って行うようにしましょう。
頭のリンパについて
頭にも表情筋や首を動かすための筋肉があり、たくさんの血管とリンパ管が張り巡らされています。表情筋を使っていないと顔のむくみが現れたり、頭や首、肩が痛く成ったり、様々な不調が現れてしまいます。
頭のリンパケア方法
頭のリンパは3箇所のリンパ節に向かって流れていきます。リンパの流れを意識して、シャンプーのついでにケアしてあげましょう。ケアする時は撫でる程度の優しい力で行う事が大切です。
後頭部
後頭部のリンパはうなじにある出っ張り(外後頭隆筋)の横にあるリンパ節へと流れていきます。両手で後頭部を覆うようにして、首筋に向かってゆっくりと手を撫でおろしていくようにケアしてみてください。
頭頂部から側頭部に掛けて
頭のてっぺんと側頭部のリンパは、耳たぶの下にあるリンパ節へと流れてゆきます。指を組んだ手を頭の上にのせ、耳たぶの下へ向かって左右にゆっくりと手を下ろしていくことでケアできます。
前頭部
前頭部や額・顔回りのリンパは耳の前にあるリンパ節へ流れてゆきます。この部分は額や額の少し上あたりから、顔の脇を通って耳の前まで、指先で優しく無でるようにケアしてゆきましょう。
リンパの終着点は鎖骨付近
全身をめぐって来たリンパは、最終的に鎖骨にあるリンパ節に向かって流れていきます。それは頭のリンパも同様です。ハンドケアによって各リンパ節へ流したリンパを鎖骨に向けて流す事で首のケアもできるうえ、ケアの効果がより発揮されます。
首の浅側(前側)から流す
後頭部・側頭部・耳の前後からのリンパは、首の外頚静脈沿いのリンパ管によって鎖骨へと流れてゆきます。顔を横に向けた時に出る筋を人再指と中指で挟むようにして、耳の下から鎖骨へと撫でおろす事でケアできます。
首の深側(後側)から流す
頭や首のリンパは内頚静脈沿いのリンパに集まり、鎖骨へ向かって流れえ行きます。
首を包むように手を添えて、肩までゆっくり撫で下ろし、首の付け根に沿って鎖骨側へ撫でるようにケアするとよいでしょう。
顔回りのリンパケア
顔を流れているリンパをケアすると、浮腫みが改善されて顔が小さく見えたり、老廃物が排出されて表情が明るく成ったりします。顔の皮膚はデリケートなため、刺激を感じないぐらい優しくケアするように心がけてください。
鼻の周りから頬骨部分
鼻の脇から頬骨の辺りのリンパは、顔の横を通って咽頭後壁(顎の骨のL字の辺り)に流れてゆきます。指先を使って顔の中心から顔の側面に向かって撫でてケアしてゆきます。
ほうれいせん線周から下の部分
ほうれい線周りや唇、顎回りなどの顔の下の方を流れるリンパは、顎の下にあるリンパ節へと流れてゆきます。ほうれい線に沿って手を添えて、顔の側面に向かって撫でてゆきます。その後、グーの形にした手の第二関節を顎の骨の内側に添えて、首に向かって滑らせるようにしてケアできます。顔の下部分については、顔の皮膚が下に伸びないように注意しながらケアしてください。
リンパケアで気分も表情もすっきりさせる
頭のリンパケアについて解説してきました。ぜひシャンプーや洗顔の時に取り入れてみてください。頭部のリンパケアをする事で頭のコリが解れてスッキリしたり、顔色がよくなって表情が明るく成ったり、日常生活やコミュニケーションにおいて様々な利点があります。